姫路アトリエにて、デザイン考。
新作のサンプルもあがってきたので、それを含めたMDの諸々を踏まえて。
平行して小物内装用等の段取りを新喜皮革内で、金田工場長と島田君と。
基本的に姫路に出社する時はこのような形で、製革されている職人さんと話すようにしています。
発注やそれらの納期等の段取り的な部分もさることながら、
現状どのような革が弊社顧客の好みであるか、市場の傾向など。
もちろん彼等からも業界の動向や新製品の提案など様々な事を聞かせてもらいます。
そこでつくづく感じることは、
無形が有形になる事に於いて、私の主張があり、それらが時系列で様々な人の英知により、
形作られているという事。
例えばオレンジのWWA36のホースハイドを発注した時、
私は発注書に書かれた枚数を見て確認するだけですが、
現場では、タンニン鞣しされたクラストの鮮度・状態・枚数の確認から入って、
各染料やオイル、その他の薬品を発注します。
作業に入れば気温等の季節感等を加味して、
染料の浸透度を都度確認しながら、
銀面と床面の染色度合いを調整してくれています。
最終仕上に於いては、私が希望した彩度・明度に最大限近づけるよう、
一般的な市販されている絵具を塗布する訳ではないので、
これも毎回調合し、仕上工程で分量を見ながら着色していきます。
今日もいつもと同様に、当たり前に工程に入ってくれるみなさんの、
歴史の積み重ねと技術の研鑽を感心します。
もちろん彼等が持つオリジナルの技術力は特筆すべき点としてあり、
継承されている馬革・コードバンの製革技術が根底にある事も垣間見れます。
ここにいて、ここで仕事をしている強みと可能性は、誰よりも恵まれている事を感じています。